絶滅危惧種
 学位審査の口頭試問で、以前お世話になったパリ大学の先生が、その試験官としていらっしゃった。

 口頭試問の試験官は5人。公開なので聴衆がいるが、ざっと見たところ7~80名くらい。

 もちろん後楽園の巨人戦みたいに、ほとんどが応援団だが、それでも見逃し三振をすればサポーターは結構厳しいだろう。

 アンパイアも巨人ファンかもしれない。

 が、ファンであることを露骨に示す事はできない。

 さて、試験時間は3時間。

 最初に論文提出者が論文の概要を説明した後で、試験官が一人40分前後の質問を浴びせる。

 巨人ファンのアンパイアも、かなり激しい質問をし、激しいやり取りがある。

 ここのところはあいまいなのではないか、とか、これは論証されていない、とか。

 言いたいことは分からないわけではないが、それ君の主張が正しいとしたらそうかもしれないだけでそれは君独自の見解だ、

と言うやり取りが15分くらい続いたこともあった。

 「それは、君の見解ではね」

 「う~ん、、君の見解ではそうかもね」
 
 と。


 ところで、フランス文学で、パリ・ナンテールで学位を取ってこられた先輩が、

 「あなたも絶対取らなくちゃだめ!」

と強く、何度も、しつこくしつこくなっしーに向かって仰っていた意味が分かったような気がした。

 ところで、自分で言うのもなんなんだが、お付き合いある人で、フランスとの関係が密接な人は、

 このB大学の先輩、

 A大学のベトナム人の(=過去日記「中国人ですか?」をご参照ください)T先生(A大学もなっしーの専門領域は基本的にはフランス派)、

 A大学と犬猿の仲(大学自体がね)のC大学もこれもわが専門領域は原則フランス派、

 わが社にも少数ながらフランス派が絶滅危惧種として生息しているが、その中に、なっしーの長女が息子さんの家庭教師をさせていただいた先生もいて、

 この先生も含めて、

 みんなみ~んな

 個性が強い!

 普通に強いと言うのとは一段か二段レベルが上で、

 強烈な個性!!

 と言っても表現しきれないほどの鮮烈かつ強烈な個性!!!
 
 ただ、現在、日本の大学では、どこでもフランス派は第3勢力、しかも遠く離された第3か第4勢力で、

中国派の台頭が著しい現在(なっしーも今では年2~3回は中国に仕事で行っている)、絶滅が危惧される。

 この個性の強い絶滅危惧種の狼の中に紛れ込んだ、

 迷える子羊(なっしーのことですよ!)の運命も、もはや風前の灯か。

 少なくとも後任はフランス派じゃないだろうな。

 どうせならイタリア語でもやろうかな?



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