この日が日記のスタートだった。

なっしーがフランスに出発する、その前にと長男が結婚式をあげ、家族が一人増えたばかりだった。

まさに満月。

在外研究(我々の世界ではいわゆる留学をこう呼んでいる)は、

比較的若いこれからという人がその研究の基礎固め、

もしくは基礎がためが済んだその上に建築物を建てようという場合と、

色んな忙しい仕事が回って来て、それをこなしてご苦労さんという形でお休みをもらうと言った感じで貰えることが多いような気がする。

とりわけ私立では。

前の方の留学は、以前の大学で貰って、その後その成果を学会で報告し、幾つか論文の形にして、

本当は本にするのが良いんだろうがそれはやらない、いや、できないまま今日に至っている。

後の方は、今の大学に働き盛りで移って、

散々こき使われ、しゃぶり尽くされた焼き鳥の骨のような感じでストラスブールに行き、

アルザスの田舎町を訪ね歩き、アルザス料理を堪能して帰って来た。

その直後からカミさんの入院、手術、闘病と続いてあっという間にかみさんはいなくなり、

長女が結婚、長女の連れ合いが留学に行き、その留守宅に次女が転がり込み、

次男も就職して会社の借り上げアパートに、

るるは元々長女の犬だったので、彼も長女宅に同居。

長女宅の狭いマンションには、2人プラス1匹、娘の旦那が留学から帰って来て、

狭い上にもう1人増えるという有り様だ。

一方、カミさんの後を追うようにして義母が亡くなり、

160平米に蟄居する独居老人が目出度く誕生するに至ったのだ。

そのスタートが4年前の3月30日。ストラスブールに向かうところからこの日記が始まった。

思いもしなかった波瀾万丈の夜明けの日だったのだ、その3月30日は。

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