日経に『新人弁護士 見えぬ将来』(上)と言う記事が載っている。

 要するに食えない弁護士の話だ。食傷すると言う意味では無い。

 食って行けない弁護士の話だ。

 日本にも"法化社会"が来ると言う見通しが甘かったと言うか、

甘かったと言うより完全な錯誤だったわけだ(が、確信犯的な匂いもする)。

 規制緩和→紛争増大→解決のための法曹人口増加。

 だが、規制緩和で次々と事故頻発、続発。紛争は生じるが、

弁護士でなければ解決できないような事件がそう大幅に増える訳ではない。

 規制緩和の坂道を下り始めた車はどんどんスピードが上がってしまって、

ブレーキが効かなくなった。

 ギルド社会だった法曹の世界にも、『近代化』の波が押し寄せ、

 想定する法曹の数が膨らみ、我も我もと手をあげるロースクールが相次ぎ、

開設されるロースクールの数も膨らんでいく。

 司法試験合格者を出したこともないような法学部がロースクールを作る。

 長屋のご隠居が解決していたような案件が、

高い費用を出して裁判所に持ち込まれる訳がない。

 法化社会の提唱者は、ご隠居の判断よりも、

法的訓練を経た『ちゃんとした』法曹が間に入って解決する方が良いと考えたのだろうが、

500人から1000人に増やした司法試験合格者を2000人、3000人にしたりして、

ちゃんとした法曹が育成されると考えたんだろうか?

 そんなに法曹の需要があると計算できたんだろうか?

 いや、みんな分かっていたんだろうが、

規制緩和と言うお題目に悪のりして、

ブレーキが踏めなかった、踏まなかった、

踏んだけど効かなかったんだろうが、

ブレーキが効かない車に乗ってしまったドライバー(法曹になってしまった人たち)をどうする?

 自由競争だから、自然淘汰に任せる?

 タクシードライバーになれば良い?

 タクシー業界も規制緩和で厳しいぞ。


コメント

yasai
2013年6月29日22:44

そう言えば ニューヨークのインド人のタクシー運転手は高学歴のマスターが居ましたね飛行場に行くまでに説教された気がしました 

別の話ですがやはりNYの取引先で,何時も夜遅くまでいるから
設計事務所の夜警の叔父さんと思ってたら 
ドクターを取ったインド人の設計士で
彼が日本の担当になり僕と英語でメールの遣り取りが始まり
僕の下手な英語が恥ずかしかった思い出があります

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