際どいぞ。

2013年5月25日 日常
 朝、急いで駅に向かっていた。

 遊歩道で、お婆さんに呼び止められた。

 『国道1号はどちらでしょう?』

 『ああ、その道をちょっと行った所ですよ』

と答えた。

 と、そのおばあさん、ふっと眼に涙を浮かべて、

『お財布を落として、国道1号を戸塚まで歩いて帰らないといけないんです』、

と言う。

 とてもじゃ無いが、80くらいに見えるお婆さんの歩ける距離では無い(時刻表で横浜→戸塚は12キロ)。

 『あの、申し訳ありませんが、1000円か2000円貸して頂けませんか?』

 財布を出して見たところ、万札しかない。

 ちょっと躊躇したがそれを渡すと、

『えっ?!こんなに大金を? お返ししたいので名刺を頂けませんか?

 もちろん躊躇したが、急いでいたこともあって、

渡した。

 典型的かどうか分からないが、

完全に寸借詐欺の手口の上に、

空き巣狙いも想定される。

 ただ、後者の方は我が家が独居老人宅とは予想していないはずだ。

 空き巣の線はまあ大丈夫だろう。

 名刺を見るなり、

 『ああ、大学の先生ですか』と言われたので、

もし、詐欺でなかったならば、

大学のちょっとした名誉になるところだ。

 ただ、名刺に自宅が入っている事は予想していないだろう。

 とすると少なくとも空き巣では無い。

 恐らく詐欺でも無い。が、うかつではある、こちらが。

 ただ、丁度帰って来ていた長女に話すと、

『しっかりしてよ』

と言われてしまった。

 なっしー教授は若い頃市民講座で消費者問題の講演を何度もやっている。

 市民講座に良い話の種を提供するような愚談になるか、

親切で人を疑うことなくて手を差しのべる美談になるか、

際どい。

※ 上に書いたが、自宅の住所をと言われたら、もちろん断る。向こうもそう思うからこそ名刺と言ったんだろう。1000円だったらもちろんあげちゃう。そのつもりで財布を開けたら万札しかなかったのだ。

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