アンカ
 階下でトイレのドアがバタンと締まる。

 朝5時。 義母が目を覚ましたサインだ。

 その後テーブルの自分の席に座る。

 こちらが寝坊しても、じっと座って待っている。

 冬場は暖房と灯りの無い部屋でじっと待つ。 
 
 朝、昼はパンなので買い置きの物を置いておけばそれで良い。

 ポットにお湯を満たしておけば自分でゴールドブレンドに

クリープと砂糖をたっぷりと、スプーン山盛り3、4杯入れて飲む。

 電気ポットは倒すと熱湯が出て危険なので、普通のポットにお湯を沸かすのが仕事だ。

 当初、こちらが精々2、3時間しか眠れない日が続いていたので、この事自体は苦にならなかった。

 10月か11月頃だ。

 パンはもう食べられない。お米にしてほしいと言われて事態は一変した。

 パンは買い置きができるが弁当は難しい。

 毎朝、近くのコンビニに弁当とおにぎりを買いに行く。

 それを置いておけば朝、昼に適当に食べる。

 が、寒くなってさらに事態が急展開。

 ご飯が冷たくて食べられないと言い始めた。

 朝はチンするか温かい物を買ってくればそれで良いが、昼は?

 義母が自分で解決法を見つけた。

 寒いと言うのでアンカを買ったのだが、食べ残しをそのアンカで保温する。

 一件落着かと思ったが、どうもアンカに持って行くのを忘れてテーブルに置きっぱなしの事が増えてきた。

 食べ残しがアンカに乗っていないか確かめる必要がありそうだ。

コメント

アミ
2013年2月24日8:47

nassieさんとお義母さんの日常。
胸が痛みます。
どちらも悪くない。
だけど、どちらも余り幸せとは思えない。
長生きだけが幸せとは言えない・・・。
難しい問題です。
私も、いずれ、そうなる・・・。

nassie
2013年2月24日9:21

自分の方がもっと心配です。スケジュールを忘れる、書類が無くなる。95%は何とかなりますが恐らくその内5%が起こる可能性があります。
普通の会社だとクビになりますが、恐らく簡単な授業を充てられて定年まで勤めさせてくれるのではないかと。
病院で薬を分包して与えるように、仕事を分包してくれるかと(^-^)v。

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