クリーニング屋さんが来た。

 玄関先で衣類のやり取りをしている時に、

嫌でも目に入る場所に新しい自転車がある。

 やられるんですか?と聞かれ、

前々からやりたくて仕方無かったんです。

 かみさんから子供が大学終わるまではダメと言われてたんですが、

下の子が来年3年だし、年も取っちゃうので、と答えた。

 それにしてもいきなり"これ"ですか?

 実は私、以前自転車屋で働いていたんです。自分でも乗ります。

 ただ、"これ"に来る前に2段階くらいあって、

最初クロスバイクから始めて次の次にこれですよ。 

 いや、先が短いので良いものでびゅんびゅんと、と訳の分からない返事をした。

 でも、テニス初心者が高級な硬いラケットを持ってると、

『ふふん』と自分でもせせら笑うだろうから、

クリーニング屋さんもきっと心の中ではせせら笑いか苦笑いか、

笑っていたに違い無い。

 世間は狭いと言うが、実は話題にならないので気づかないだけで、、

共通の友達や知人。

共通の趣味、同窓生だったり同郷だったりに気づかないだけだ。

 クリーニング屋さんとも俄然近しくなった。

 今朝、一走り余り広く無い道を走って来たが、

あれ? ブレーキはどこ?

 ギアはどこ?

 ギアを変えたくて変えられ無い。

 停まるのにふらつく。

 スタートでふらつく。

 直ぐ横を車がすり抜ける。

 極めつけは自分がどこにいるのか分からないこと。

 したがって自宅にどうやって帰れば良いのか分からない。

 無い無い尽くしで彷徨った挙げくやっと自宅に帰り着いた。

 何度も怖い思いをしたので今日はヤメと思っていたが、

こんなに身近にセミプロがいるならと気が大きくなって、

午後もう一度こぎ出した。

 多少まごついたが、ハンドル操作、ブレーキ操作も随分とスムーズに。

 何より停止、発進がスムーズになった。

 そこで国道1号を東京に向けて走った。

 鶴見川のほとりにかみさんの入院していた病院がある。

 また、無駄遣いして!

という声が届かない距離でUターンした。

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