赤いタグ 
 駅に向かう途中、ポロシャツの襟が首に当たる。

 気になるので折り曲げようとするが、上手く折れない。

 ふと下を見ると縫い目が見える。

 えっ? 裏返し? 

 気づいてしまうと気が気ではない。

 歩くスピードは他の人とほとんど変わらない。

 同じ人が後をつけていると否応でも気付かれる。

 スピードを上げて人を追い越すと、新しく気づく人が増える。

 どうしようと思いつつスピードアップを選んだ。

 駅に着いてトイレに並ぶ。

 こんな時に限って長く中で踏ん張る人が多く、

列は動かない。

 ほんの数分かも知れないが、10分も20分も待たされた気がする。

 やっとの事で順番が来た。

 大急ぎで中に入り、シャツを脱いだ。

 びっくり。

 なんと首のタグが真っ赤。

 しかも、かなり大きなタグだった。

 ああ、と思いながらも折角だから他の人を待たせてやろうと2,3分粘ってトイレから出たら、

列は無くなっていた。

コメント

ミハーハハ
2012年10月3日17:43

なっしー様の様子を想像して声をあげて笑っちゃいましたョ、スミマセン。
私もぼんやりなのでいろいろ恥ずかしいことになっているのを自分では気付かず、他人様におしえられ、顔が真っ赤になることがよくあります。

nassie
2012年10月3日18:07

 いや、この時はほんとどうしようかと思いました。
 途中まで気づかなくて平気だったのに、やっぱり気づいてしまうと気になって気になって。
 とりわけトイレに並んだ時ですね。すぐ後ろの人はずっとこれを見ながら、にやにやしていたことでしょう。

yasai
2012年10月3日20:18

やはり楽しい文です
他人(読む人)への気の使い方が違う気がします

yasai
2012年10月3日20:18

やはり楽しい文です
他人(読む人)への気の使い方が違う気がします

お気に入り日記の更新

日記内を検索