かみさんから、あなたは冷たい、と良く言われていた。
他人からは優しいと言われるが、それが表面的だと言う指摘なのだ。
自分でもそう思っていた。
寺に生まれ育ったためか、それとも生来的なものか、最も厳粛で最も悲劇的なもののはずの人の死に対しても常に覚めて見ていた。
父が亡くなった時にも、もう一人の『私』がいた。
涙の臨界点が低いので涙を信用してはならないが、
ふとしたことに涙が出てくる。
ただ、今は涙が出る、それ以上にいつまでも妻が棲んでいるのだ、自分の中に。
何だか初めて『自分』が生まれたような気がする。
「今ごろ何言ってるの」と妻は笑っているだろうが。
他人からは優しいと言われるが、それが表面的だと言う指摘なのだ。
自分でもそう思っていた。
寺に生まれ育ったためか、それとも生来的なものか、最も厳粛で最も悲劇的なもののはずの人の死に対しても常に覚めて見ていた。
父が亡くなった時にも、もう一人の『私』がいた。
涙の臨界点が低いので涙を信用してはならないが、
ふとしたことに涙が出てくる。
ただ、今は涙が出る、それ以上にいつまでも妻が棲んでいるのだ、自分の中に。
何だか初めて『自分』が生まれたような気がする。
「今ごろ何言ってるの」と妻は笑っているだろうが。
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