昨日は友人の大学での研究会。

 終了後の懇親会。

 受け入れ教授はさすがに違っていたが、留学を同時期に同じ大学、同じ学部(語学学校も同じクラス)で過ごした事もあって、あんな事があった、こんな事もと思い出話に花が咲いた。

 そのひとつ。

 この友人とふたりでいろんな旅行をしたが、

これはパリから列車で1時間程の小さな町への旅行だった。

 入ろうとしたレストランで、入り口で顔を見るなりダメダメと手を振られる。
 
 やっと席に着く事が出来たレストランでは、いつまでも注文を取りに来てくれない。

 顔馴染みが次々に入って来て、次々に料理が運ばれる。

 こちらは無視されたまま。

 やっとのことでなんとか食事にありつけたが

 晩秋のパリ郊外はちょっと寒い。

 目的の小さなシャトーはまだ昼休み中。

 マフラーでも無いかと街をブラブラした。

 あった、ブティックが、そしてマフラーが。

 ショーウインドウを覗きながら

『あんなの良いですね』なんて呑気に話合っていた。

 と、奥の方にいたマダムが我々に気づきバタバタと歩いて来て、

ガチャっとドアにカギをかけた。

 そして目の前に

『閉店』

の札がぶら下がった。

 ええっと、驚きながらも引き続き街を歩いた。

 観光案内所(オフィス・ド・ツーリスム)にたどり着いた。

 その入り口のすぐ横に大きなポスターが貼られていた。

 その大きなポスターの大部分を占めるほどの大きな象が、

鼻と前肢を高々と上げて吠えている。

 そのすぐ横では小さなネズミがぶるぶる震えている。

 そのポスターには、

『ツーリストに親切に(冷たくしないように)しましょう』

 Ne soyez pas eranger aux touristes.

(文字通りには、旅行者に対して異邦人にはならないように).

と書かれていた。

※ 語学学校の先生(文学部教授)はこれ(人間関係最重視主義=よそ者排除)をマフィアの世界と呼んでいた。地中海沿岸地域に共通する人間関係を通じての裏の秩序が支配する世界(ファミリー中心主義)を意味している。
 ただ、この出来事はパリ近く。地中海ではないが、田舎のよそ者排除の表れかも。
ただ、観光の村なのに。

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