論文

2011年10月21日 日常
 わが社は、ドクターコースの受験の条件に20000字程度の論文を要求している。

 修士論文を出せと言うのならわかるが、秋のこの時期にそれは無理。

 3月に入試をやれば良いんだが、今、学部入試も青田買い。

 何度も何度も入試をやり、

なんだかかんだか名目を付けて最初は夏休み頃から始まる。

 大学院も種まきが済み、

少し芽が出始めたこの時期に穂を刈ってしまう。

 稔りを待つどころかまさしく青田買い。

 日本に来て2,3年の留学生など、日本語を読むだけだって大変なのに、

それを書けと言われて大騒ぎだ。

 本来は、大騒ぎして修士論文を書いて、そのあと、何とか一人前になっていく。

 それを、青田の状態で、芽が出始めたものを、1文1文内容を確認しながら、

普通の日本語の文章へと修正していく。

 中身は結構濃い。

 良く読みこなしていると感心するほどだ。

 ただ、それを日本語で紹介し、批評・批判し、自分の論理の中に落とし込む、

そんな作業を、修士2年目のこの時期に要求する。

 一人の学生にまる2日係りっきりで面倒を見た。

 これ、どういう意味?

 それなら、こういう風に書かなくっちゃ通じないよ。

 ああ、こんな日本語ないよ。

 そう言うためには、こんな言い方をしたらどう?

 本人は何日も徹夜だろう。

 提出した途端にダウンしてしまった。

 こうやって鍛えられるのに比べて、

自分はなんと甘やかされて育てられたんだろう、と恩師を偲ぶ。

 あんな風に、やんわり、じっくり指導しなくっちゃと…。

 ああ、我ながらなんと器量と度量の足りないことか。

 
 ※ そんなこんなで久しぶりのアクセスでした。

 ※※ ふと気づくと10・21。40年以上経ったのか。自分が生まれた時からさかのぼると、明治末期。随分と年が経ったものだ。

 口癖だが、還暦=60年というと、慶応から始まって、明治、大正、昭和にまでたどり着いてしまう。

 長い! なのに、つまらない人生だ。面白くないという意味ではなく、価値が無いという意味。もちろん面白くもないんだが…。


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