みんみんゼミ
 暖かい地方で生まれ育ったため、ヒグラシ(カナカナ)を知らなかった。

 ヒグラシと呼ばれるせみはいたのだが、これは我が故郷ではアブラゼミ。

 少なくとも生まれ育ったあたりではそうだった。

 クマゼミが蝉の王で、暑さを一段と格上げするように、

シャーシャーと鳴いていた。

 カナカナは東京に出て来た次の年、信州で(ひょっとしたら山中湖?記憶があいまい)初めてその鳴き声を聞いた。

 文字で知っていたカナカナが本当にカナカナと鳴くんだ、と妙な関心をしたものだ。

 ミンミンゼミも知らなかった。

 ミンミンゼミは、いつぞや書いた、急逝した友人たちと一緒に勉強した時の、自主ゼミの名前だ。

 公法・刑事法はやらない、民事法だけを3人で勉強する、という『民々』だったが、

先ほどから、一匹のミンミンゼミが、声を振り絞りながら鳴いている。

 あの頃、このミンミンゼミのように力を振り絞りながら勉強していた。

 一日一日を力の限り。  

コメント

ミハーハハ
2011年8月1日21:45

私も蝉といえば、アブラゼミむとミンミン蝉、それから夏休みが終わるころになるとツクツクホーシ、ツクツクホーシっで悲しくなるのでした。

nassie
2011年8月2日9:37

ツクツクホーシは宿題の締め切りと結びついて、これが鳴き始めると夏休みの宿題をやらないと、という悪い思い出と結びついています。
今も締め切りに追われていて、鳴いていないツクツクホーシの鳴き声が、頭の中で聞こえています。

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