先送り

2011年3月20日 日常
先送り
 さまざまな国々や様々な組織が日本への渡航自粛勧告を出したり、業務を中国やシンガポールなどアジアの国々に移し、

そうでなくとも事務所や社員を関西地区に移動させたりしている。

 WHOやIAEAは、渡航は安全だ、首都圏の放射線レベルは問題にするに及ばない、と声明を出している。

 その通りだと思うが、それは『いまのところ』大丈夫だというだけだ。

 諸外国の、そしてそれらの国々の企業、事業者の懸念は、今の危険を問題にしているのではなく、

今、このような事態をもたらしてしまったことに対する不信感を、

そして右往左往している場当たり的な対処への不信感を表明しているのだ。

 要するにうまく処理する能力がないのではないか、と言う不信感だ。

 彼らの行動は、『未曽有の地震』によって、『想定外の事態』が生じ、

制御不能の状態が作り出されてしまったことについて、

東電はおろか、日本の科学技術の『水準』に対する信頼喪失の表明なのだ。

 要するに『安全神話』の崩壊だ。この影響は計り知れないほど大きい。

 フェイルセイフ機構が働かない。

 次から次へと思わぬ事態が生じ、その都度場当たり的な対応をし、

今までのところはそれがラッキーにもうまくいっているだけに過ぎない。

 『想定外のことが起こってしまった、もしくは、起こってしまっている』

そのこと自体に対する不信の表明に過ぎない。

 行き当たりばったりで、神頼みの後手後手の対応を見ると、ますます不信感が募る。

 外国事業者でなくとも同じ不信感を持つ。

 ところで、今回のこの全ての出発は、設計寿命を超えた運用だったのではないか?

 あまりにもお粗末な選択だった。

 廃棄処理が面倒だ、コストがかかる、じゃあ、もうちょっとやってみようか、今まで大丈夫だったから。

 先送りが拙いのは、原発解体も、病気の治療も同じだ。

 原発の廃棄は大きなコストがかかる。大丈夫そうだからもう少し働いてもらおう。

 下り坂になると、やることなすこと裏目裏目にでる。
 
 ああ、黄昏の東電。

 今、4階の宿舎の部屋に歩いて登るのがきつい。

 なっしーは、東電のように輝いた時期はないが、輝いたことはなくとも、黄昏ているのは同じだ。

 昼何を食べたか思い出せないくらいに。

 おそらく、東電も同じような状況なんだろう。ひょっとして日本社会も。


ところで

http://www.asahi.com/politics/update/0321/TKY201103210047.html

 来られる方が迷惑なのに、行くと言ってやっぱりやめた、だなんて。

 雨に濡れるのが怖いのか。ネットでちらほら見かけるコメントでは、

もう、何を言っているのか分からないそうですね、パニック総理。

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