500ほどのワイン(生産)業者が屋台を並べての試飲会(デギュスタション)。
EU本部の裏の方。
デギュスタションでは、味と香りだけを確かめて、後は捨てる、本当は。
ただ、丁寧にも口に含んだのは殆ど飲んでしまった、最初の内は。
さすがに途中からは半分ほど捨てるようになったが、だんだん気分が良くなってくる。
シャリオ(荷車)に何箱も括り付けて帰っていく人も多い。
ドライバーとして連れて行ってくれた女性が、もちろん何回かは口に含んだが、
『いや、今日は運転するから』
と、ほとんど口にしなかった。
まあ、ここでちょっと気を緩めたら、それこそへべれけになってしまいかねない。
なっしーが買ったのはグラン・クリュ(特級畑)のリースリングと普通のメゾンのブリュと呼ばれるシャンパン風の白。
〆て18ユーロほど。
それにしても500ものワイン業者が集まってのワイン祭りと言うのはいかにもフランスだ。
ところで、フランスのワインをダメにしているのが、世界の大国、アメリカなんだそうだ。
アメリカ人のテイストに合わせてワインが作られる、それがワインの質を落とす。
今、中国が大ワインブームなんだそうだが、日本の話を聞かないけどなぜ?と尋ねられた。
残念ながら日本のバブルは長くは続かなかったので、フランスワインの味に地殻変動を起こすほどの影響もなく、
バブルがはじけて、冷静になってみると、アルコール度が高く、
しかも価格が低い蒸留酒に移ってしまったと言うような話をして、
ワイン会場を後にした。
ところで、日本から知り合いが来るといつも連れて行くワイン販売業者。
あちこちに展開している業者だが、
『アルザスで1番いいワインはどれ?お土産にしたいんだが』と聞くと、
『この辺だ』と勧めてくれる。
1本数ユーロから年にもよるがせいぜい25ユーロくらい。
中心価格帯は15ユーロくらいだろうか。これがアルザスでno1のワイン価格だ。
その店で買ったワインをいつだったかお呼ばれで持っていった。
『お前、ワイン通だなあ』と感心された。
『いやワイン通じゃなくって”ニコラ”で買ったんだ』と答えたら、
『あそこで買うのはすでにワイン通の証拠だ』
と言われた。
ただ、なっしーは酒はほとんど飲まない。
父親がいつもへべれけに酔っぱらって帰って来ていた。
大人になったらあんな風にはなりたくない、
とずっと思いながら育った所為だ。
飲みたいと思うことが一切ない。
もちろん、好き勝手に生きているんだから、これで飲まずにいられないとしたら、それこそどうかしている。
ただ、アイスクリームやクッキーは食べたいと思うんだが。
甘党と言うか、いや脇が甘いのは事実だ、
なんて思っていたら、
あっ! 財布がない!!
と、いうのは大嘘だが、写真のEU本部の向こう側で試飲会があったのは本当だ。
それにしても、探し物ばかりしている毎日で、
あっ! 財布がない!
と思わない日が無いくらい。年は取りたくない…。
※国連本部と書いていましたが、もちろんEUの間違いでした。
お詫びして訂正します。
コメント
何しろ頭のさえているはずの朝ですら、冷蔵庫から出した卵を探し、刻んだ玉ねぎのありかを探し、さっき使ったはずの醤油さしを探し、しているんですから・・・子供に戻って「指さし確認」しているありさまです。
でも、ぜ~んぶ忘れられたら幸せでしょうね。周りの幸せを全部吸い取っちゃうことになりますが。