トーマス・クックの時刻表、赤いやつ
 北欧や東欧に行きたいとなると、当然列車だ。

 なっしーはテツではない。

 テツではないけど、鉄道好きだった。

 時刻表好きだった。何時間でも眺めていられた、ちょうど今ネットをあちこち徘徊するようなものだ。

子供の頃から徘徊老人みたいだったわけだ。

 ただ、鉄人的な趣味、趣味のプロになるのではなく、趣味も趣味的な趣味、

要するに中途半端と言うことだ。

 だからこそ趣味なんだが。

 で、今や、と言うか、今はというか仕事も持っているわけだが、仕事も仕事のプロになるのではなく趣味のようにやっている。

 なんだかよく分からなくなってきたが、ただ、心はテツだ。

 したがって北欧、東欧に行くのは鉄道でなければならない。

 海を渡るならともかく、鉄道で行けるのだから、空を飛ぶ必要はない

(デンマークからノルウエイ?スウェーデン?には列車で渡れるらしいが)。

 鉄道となるとトーマスクックだが、本屋で探しても見つからない。

 先日コルマールに行く時にも駅の構内の本屋で探したが(何回目かの探索)、

無い。

 カウンターで訊いた。

 『トーマスクックって、旅行代理店だよ。そんなの出してるの?』

 『出てるんです。日本で買えるんです』

 『じゃあ、本屋さんに行ってごらんよ』(ここは本屋さんじゃなかったの?)

 そこで、ストラスブールで一番のクレーベルと言う本屋に行った。

 本屋が大きいから余計に探し甲斐ががあったがみつからない。

 で、案内のお姉さんに訊いた。

 『時刻表が欲しいんだったら駅に行ったらどうですか?』

 『いや、ヨーロッパ中の、世界中の時刻表が欲しいんです。トマス・クックから出てるんです』

 後ろで順番待ちをしているお兄さんが、こちらの顔を見て、にこにこしている。

『トマス・クックって旅行代理店ですよ』

ああ、まただ。

 『ええ、それは知ってます。でも出てるんです。赤い表紙で、日本でも買えるんだから』

 しぶしぶコンピューターで探してくれたが、無い。

 『確かにトーマスクックが本を出しているのはわかったけど。

でも時刻表っていうタイトルの本は出てないわ』

 『時刻表殺人事件』を探しているわけではない。

 確かに本ではない。雑誌? いずれにしても、もう、あきらめるしかないのか。

 そこで、今日、トマス・クックの代理店に行った。

 『時刻表なら駅に…』(仏の顔も3度と言うが…)

 『あ、いや、東欧に行きたいので』

と言ったら、さすがにトマス・クック。

 『ああ、あれ。あれはフランスには無いの』

 『イギリスに行かなくっちゃ駄目なんですか』

 『いや、ドイツなら売ってますよ。でもフランスでは売られて無いの。ごめんなさいね』

 困った、と思ったのだが

 『ケールでも売ってるかな?』

 『ああ、あそこならあるかもしれませんね。ドイツだから』

 で、明日久しぶりに国境越えをすることにした。  


コメント

ドロシーNO2
2011年1月30日5:02

とても、フランス的?なお話だと思いました。
ゲルマン(英・独)とラテン…ご近所なのに
違いますねぇ〜何故かしらん?

nassie
2011年1月30日5:16

そうですね。でも家の中では『お父さんは生粋のフランス人』と言われています。日本ではフランス人のごとく、フランスでは日本人のごとく、ですかね。

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