ああ、中途半端

2011年1月3日 日常
ああ、中途半端
昨日から明るい真っ青な冬空が続いている。

南仏の空のようだ。1ヶ月以上、ほとんど知らなかった青空。

カレンダー的にはバカンス・ド・ノエルが終わり、さあ授業再開、という段取りだが、

そうではないだろうな、と思いつつ大学に行った。

車はいっぱい停まっている。入り口ドアは開いている。が、廊下はスカスカ。教室もスカスカ。

学生として履修をしているわけではないので、時間割表、講義要綱冊子、諸々の手続窓口案内etc.,etcが無いので、

どうしてもこうなってしまう。

頼んだらいいじゃないか、と思われるが、そうすると

ちょっと1週間ブルターニュへと言うのが難しくなる。

一つ上の世代、なっしーの指導教授は、

『ドイツ結合企業法について先生と議論できれば幸いだ』

と手紙を書いて、『大歓迎する』

と返事をいただいた。

いざ、面会したら

『グーテンターク』って言ったっきり、もう、一言も出てこなかったんだから、

先生も困っただろうな、

と仰っていた。

もう少し若い世代でも、

『××先生と議論させていただいてこの論文集を上梓する事ができた』

と著書のあとがきに書いた、ある著名な先生が、

その××先生の来日講演会で、マイクを振られて

ドイツ語を一言も発せられなかっただとか、

ある高名な、日本で第一人者と言われている先生が、パリ大学の講演で、

原稿を読んでいた間は良かったんだが、質疑応答になってしどろもどろになってしまい、

『おい、あれ誰だっけ?』と(日本語で)

弟子に八つ当たりしたとか(これは目撃した)、

ま、いろんなことが起こってしまう。

なっしーの一つ下の世代になると、対等に議論、喧嘩ができる人がずっと増えてくる(ダメダメも依然多いが)。

なっしー世代は、グーテン・ターク、ボンジュール世代ではないが、フランス人、ドイツ人になりきる世代でもない。

生活はなんとかできるが、議論は到底無理という、なんとも中途半端な世代だ。

世代も中途半端、中身も中途半端な、まさしく自分の人生を象徴しているかのような『在外研究』も、

あと、3ヶ月になってしまった、泣いても笑っても。

もう一年延長しようかな。

(868文字)

※ここいら辺のことは以前書いたと思いますが『文学部 唯野教授』(筒井康隆)に出てきます。
 在外研究の1番の目標は病気にならずに帰ることだからな、というのが指導教授のお言葉でしたが、そういう意味ではすこぶる順調です。
 在外研究と言うと厳めしいですが、英語、フランス語だとサバティカル・サバティク(安息日)ですからね。公務を離れてのんびりして来い、というご褒美のことと考えて、病気にならないように、残り3ヶ月。

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