Les annees douces par Taniguchi et Kawakami
Les annees douces par Taniguchi et Kawakami
 買って来た。

 ”輝ける日々”と ”甘い年月”。

(『甘い』という日本語がしっくり来ないが、

満ち足りていたとか楽しかったというのが良いのかもしれない

(←あぁ、なんだ、このセンス!)。原作川上弘美『センセイの鞄』)。

 ”輝ける日々”の方は、交通事故の当事者が入れ替わる、

というか、

一人が死んでしまって、死んでしまった方の精神が、生き残った体に移る話。

微妙な心理描写がとても気になる。

 ただ、フランス語なので、『読んでしまう』ために、コマ運びのリズムが崩れてしまうのが、残念だ。

 しかも、時には辞書のお世話にもならないといけないし。


”甘い年月”の方は、

センセイとして、なんだか覚えがあるというか、気持ちはとてもよく分かる世界で、

あって欲しいような、いやいや、そんなこと、というこれも微妙な世界だ。

 ただ、ここに描き出されている『タニグシ・ジロー』氏の世界には、

確かに『ドラゴンボール』とも違い、『クロザワ』や『ミシマ』とも違う、

ひょっとしたら今の日本にもなくなっているかもしれないが

かつて確かにあった、『日本』がある。

 これが、言葉の民と言われるフランス人に通じるのが、驚きではある。

 ただ、ナッシーが、現代最高の日本の知性の一人と評価する、

論文を書かない、本を書かない元同僚

(このDNでも『レクター』博士と紹介した気がするが)

といつも話しているのだが、

アメリカ人、ドイツ人は言わないと分からないが、

フランス人は言わなくても分かる

ということの証拠の一つなのではないか、とふと思った。

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