自分が怖い
 80過ぎて、去年父を亡くし、一段とボケが進んできている母がフランスに来たいと言っているそうだ。

 「バスで1人で岡山まで行って帰ってくるから大丈夫だ」

と弟はいうが、

田舎の家からバスで岡山まで行くのと、

そこから、さらに関空に行って、飛行機でフランスまで来るのとでは、

ちょっと違うと思うが。

 たとえ来たとしても、部屋に1人で置いておくと、料理でもしかねない。

 買い物にも行きたくなるだろう。

 宿舎の鍵はオートロックで、一旦鍵無しで外に出ると2度と入れない。

 受付には午前中しか人がいない。

 いくら言い聞かせても、覚えていられないので、火を使い(電気だが)、勝手に散歩に出てしまうだろう。

 20年前、末娘が生まれた時に来仏して、1月ほど滞在し、

いろんな所にドライブし、いろんな人の家に食事に招かれ、

楽しい思いをして、1人で日本に帰国した。

 料理が好きで、プロヴァンス料理を覚えて帰りたいと言って、

奥さんが生粋のプロバンサル(プロバンス人)の知人のお宅に行き、

スープ・オ・ピストーというプロバンス料理を教えて貰って帰った。

 個別のことがいろいろ記憶に残っているとは思えないが、

楽しかった思い出だけは残っているだろう。

 だから『来たい』。

 さて、どうしたものか。

 末娘が先日電話を受けた時

『かなりヤバイ』

と思ったらしい。

『絶対に断るべきだ』

と言っている。

 さて、さて。

本当にどうしたものか。

 などと言いながら、ふと

『夕食何食べたっけ?』

と、思い出せない自分が怖い、本当に。


※ サモトラケのニケ。良いですね。ルーブルに行くといつもこれを最初に見て、それから、ぐるっと回って、最後にハムラビ法典。一応法律家なので…。

コメント

ミハーハハ
2010年9月6日10:04

親孝行と現実の狭間、つらいところですね。

nassie
2010年9月6日15:34

  親(おばあちゃん)孝行の長女が、連れて行ってあげるから冬休みまで待ってもらってと言ってくれてます。
 12月であればフランス最古の伝統を持つクリスマス・マルシェがあるので、それは大変魅的ではあるんですが、ここの寒さと年齢を考えるとどうかなと思っています。

yasai
2010年9月7日7:54

親が生きて居るのは 有り難いことです。確かに大変だけど。僕は母を16年前に無くし、その後 1年生きて居た父と暮らしましたが、母と居たかったと思います。。

nassie
2010年9月7日15:59

yasai先生
確かに、生きているだけでありがたいので、本当は家で引き取れば良いんですが、100を越えた義母がいますので。単なる言い訳なんですが。

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