舫い船
舫い船
 横浜にも川縁に小さな船が舫っていて、そこで日々の生活が営まれており、それなりに郷愁があった。

 みなとみらいに象徴される整備された近代高層ビル群に街が生まれ変わる過程で無くなってしまったようだ。少なくとも目立たなくなった。

 舫い船というのとは少し感じが違うが、散歩コースにも長さおよそ35メートル、幅6~7メートルくらいの船が舫いでいる。

 横浜の小さな小さな舫い船と比べると、軽自動車と観光バスくらいの差がありそうな、立派な船だ。

 全部で40隻くらい、2隻ずつ横に並んで、川縁に停泊している。

 岸には郵便受けが数軒~10軒分ずつ置いてあるので、ここで日常生活が営まれているのは間違いない。

 家の代わりに船に住んでいるだけで、船とは無関係の普通の職業に従事しているのだろうが、

1隻だけNaviscope (航海術)博物館としてミシュラングリーンガイドにも載っている船がある。

 機関室や操舵室、また様々な模型も置いてあるらしい。

 いずれにしても大変立派なこの舫い船群と嘗ての横浜の舫い船との差が、

全体としての住環境の日仏の差を示しているのかもしれないな、とふと思った。

 フランスは長持ちする過去の遺産だけで、今、楽に食べて行っていると、言えなくもないが、

 我々は負の遺産はともかく、そうした正の遺産を残せそうにない。

 バブルの時代に、官も民も浮かれ上がって、花見酒に酔い痴れてしまった。

 ふと酔いが醒めたら、じと~っと不況のトンネルの中で、未だに出口の明かりは見えない。

 失われた30年になろうか、と言われているそうだ。


※上がストラスブール版舫い船、下がナヴィスコープ博物館です。

 フランスも100年越し、200年越しでタイタニックでの船上パーティに浮かれていると言う評価もありますが、石の文化と木と紙の文化の違いでしょうかね。

コメント

yasai
2010年7月19日17:06

ラインの運河は失敗して、砂利を上流に戻しているらしい と何処かの本で読んだ気がしますが 何時の失敗だか 何処だかも知らないのです、その砂利舟は 上流に向かうのですか 下流ですか 単なる好奇心です もし お分かりでしたら

nassie
2010年7月19日21:14

ただただ泊まっているだけなんです。でも、舗装用に3種類積んでるんじゃないかと思うんですが。
ちなみに南(上流)向きに泊まっています。動いているのは見たことがありません。闇夜にまぎれて戻しに行っているんでしょうか。

yasai
2010年7月20日9:24

有り難う御座います。3種類の砂利ですか。向きから言って南に戻しに行ってるってのが、楽しいですね。その内にどの本だったか思い出します。年を取ると、資料が探せなくって聞いてしまいました。ご勘弁を。

nassie
2010年7月20日13:44

西欧人というか石の文化の民族は気が長くしぶといですから、船1隻ずつ、毎晩戻しに行って100年後くらいに少しくらい修復できるかもしれませんね。

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