C’est bon, comme ca?
 夕方いつもの散歩コースを散歩していた。

 その、イル川沿いの遊歩道で、ベンチに座っている男性から、

「ボン・ソワール、ムシュー!」

と明るく声をかけられた。

「ボン・ソワール!」

と返事をしたところ

 「家が無いんだ(sans abri)」(abriというのは避難小屋と言った意味)

とあっけらかんと言われた。

 「良いだろう?(C’est bon,comme ca?)」

(ca は本当はcに髭がついてるやつ、『コムサ』と読んで、こんな風で、とか、ケーキを切る時に、あ、そのくらいの大きさで、とか言う時に使う。あのコムサのコムサ)

と言われたが、う~ん、どう答えて良いのか困って、

C’est bon, c’est bon!

と答えて立ち去った。

 20年前のエクスには道路や公園に毛布とシェパード(護身用)を抱えた人が大勢いたような気がする。

 それが、冬寒く、夏暑いせいなのかもしれないが、ここではあまり見かけない。

いや4月のエクスでも見かけなかった気がする。

 20年と言えば昭和20年~40年、平成元年~21年だから、違いがあって当然だが、

ヨーロッパはEU統合によって、もちろんいろんな問題はあるにしても、恐らく凄く良い方向に向かっているのだろう。経済的にも、社会的にも。

 掃除のおばさんはバカンスでボスニアに帰るそうだ。

「良いところだよ。1000㎞くらいかな」

と言っていた。ただ、まだEUではないですよね? 確か。

 行って見たいな。東欧。

 日本も周辺諸国と協力して、早くアジア自由経済圏を作らなければ。

 人と物が自由に動けるというのは、そのこと自体で価値がある、気がする。

 それにしてもあのおじさんの明るさはなんなんだろう?

もの凄く哀しい明るさなんだろうな、とは思うけど。
 

コメント

ミハーハハ
2010年7月6日9:23

旧ユーゴに憧れていて、新婚旅行はここに行く予定だったんですが、内戦でパーになりました。(結局どこもいってない)

ボスニアといえば映画「ライフ・イズ・ミラクル」
素晴らしい人間賛歌の映画です。

nassie
2010年7月6日15:49

体力無き肉体派は余り映画を見ませんが、チャンスがあれば見てみます。涙ボロボロになりそうな感じですね。
東欧は憧れがありますねえ。とても行きたんですが、『職務専念義務』があって、外国(フランスから見て)に行けないのでとても残念です。
ロンドンにいらっしゃった先生が、ベトナムはロンドン近郊に入るか、と聞いたら、入りません、と言われたそうです。パリはお目こぼし(旅費が認められる)だったそうですが。

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