ケインズ説得論集 [著]J・M・ケインズ の紹介について
※本来読んでから批評すべきでしょうが、単なる印象批評であることをお許しください。

 う~む。

 なんだかピント度外れのような気がする。
(http://book.asahi.com/review/TKY201006080148.html)

 「ものを買えば雇用が増えます。もっとも、イギリス製の商品を買わなければなりません。国内の雇用を増やすには、国内で生産された商品を買わねばなりません。…」

 えっと耳を疑ってしまう。

 だいたい、穴を掘ってそれを埋めても、それで『富=賃金』が生み出され社会が豊かになる、と言った(らしい=ケインズ読んでないのでこれで良いのか分かりませんが)ケインズを、今持ち出して

「国産品を買いましょう」

だなんて。

 だいたい、今、国内で生産された商品なんて、どこにあるんだろう?

 農薬まみれの米くらい?

 野菜等も含めて国内の商品は、ほとんどが中国産(冷凍野菜だけじゃなくナマもですよ!)か東南アジア産。

 ハンバーグなんて東南アジア産のミミズで出来ている『らしい』

(ただミミズに限って言うと、大変弱い生き物なので、よっぽど環境を整えないと育たないらしく、薬漬け牛100%よりずっと安全、安心だそうですよ)

 と言う時代に。

 ひょっとして、国内に工場を持って来い?

 では、ないですよね?

 息づかいが感じられるくらいの大きさの単位で(経済、社会、政治的に自立した)コミュニティーを整えて、

 そうした自立したコミュニティーの連合体が、例えば県、地方(関東と言った単位の一回り大きな自治体)、国、国際連合体(東アジア共同体とか、ASEANのような)へと広がっていく、

  そして自立したコミュニティというのは生産体としても自立すると言うこと。

 基本的には『そこ』で必要な物は『そこ』で作る

(車は『輸入』が必要でしょうが)。

 そうした社会的仕組みを作ることが必要で、

 限りある資源を皆でどのようにして利用していくか、そうした仕組みそのものを作り出す事が必要なのではないかと思うわけで、

 その第一歩が原則としての、地産地消+適地生産・消費地消費ではないのかな?

 ただ、神の見えざる手は膨大な浪費を生むが、他方で計画経済は計画経済で(要らない物を作り続けるなど)膨大な浪費を生むのも歴史的教訓としてある。

 経済の仕組みと同時に政治の仕組みも含む大きな改革が必要で、素人のコメントの域を外れた難しい問題に入って行くが、

 少なくとも

『国産品を買いましょう』

 と言う次元の問題ではないような気がする。

 すみません専門外でこっちもピント外れのコメント( ← 何にでも一言言いたい悪い癖 (--; )かも知れないけど。 

コメント

yasai
2010年6月9日22:22

僕は経済学部経営学科で卒論は中国共産党におけるアントレプレナーでしたが、未だに「安く買って高く売る」以外のルールを知りませんし、営業の時も使った事はありません。通貨も商品の一部と言う事を忘れなければ、これだけでOKかと、言いすぎですかね

nassie
2010年6月10日5:30

文章がすごくお上手なので人文系のご専門かと思っていました。
隣接領域だなんて、なんか、がさつな文章をお読み頂き恐縮です。

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