ハンニバル・レクター博士
 
ご存じ『羊たちの沈黙』、『レッドドラゴン』に登場する怪物だ。

 なっしーは実在のレクター博士を知っている。そのレクター博士は、古今東西、知らないことは無い、と言う物知りだ。

 文学・絵画・音楽何でも知っている。彼の凄いのは知っているだけではなく、実際に目で見、耳で聞き、触れられる物は手で触って来て知っていることだ。

 文学も本物を読んでいる。古典も外国文学も定評ある物は読んでない物がない。

 英語やドイツ語は普通にしか出来ないので、恐らく翻訳だが、でも読んでいる。

 ある庭園が気に入れば春夏秋冬、朝昼晩をそこで過ごさなければ気が済まない。

 料理も食べる。

 巷にあふれているようなお手軽料理情報など相手にしない。本物を知る人たちだけで伝わるような、そんな情報を頼りに、実際に食べに行くのだ。

 外れも多いそうだが。

 絵も演劇も音楽も、見に行き、聴きに行く。

 ニューヨークだろうが、コペンハーゲンだろうが、アフリカに行ったという話は聞いたことが無いが、恐らく、良いと聞けば行くだろう。

 そんな彼の記憶の源は全てにおい。

 全てをにおいに結びつけて記憶が成立している。

 まさしくレクター博士であり、映画『香水』のあのグルヌイユなのだ。

 『あれ?今日はこれとこれとこれを6・1・2くらいでミックスしてますか?

先週と違いますよね?でも、ブレンドお上手だ』

 と言ったりするが、外れたことがない。女性をにおいで記憶している。

 そして、気に入った女性がいると、相手の趣味に合わせた『におい』を演出し、その相手が向こうから飛び込んでくるのを待つ。

 そして本当に飛び込んでくる。

 いや、実際に彼とはいろいろ一緒に行動しているので、これは何度か目の当たりにした。

 その彼は2年間フライブルクで生活していたのだが、フライブルクがイヤになると良くストラスブールに来て気晴らしをしていたという。

ホンの50㎞ほどの距離だ。

 「ストラスブールは美味しい物があって良いですよ。うらやましいなあ」

と言って送ってくれた。 

 どこに来ていたのか聞いてみたいものだ。

 ただ、彼が時々なっしーに言うんだが

 なっしーは、肉野菜炒めと野菜炒めを一緒に作って、肉を拾って片一方に入れて出す

というとんでもないラーメン屋があって、そこのラーメンが結構好きなんだが、

 「あなたを信用しているんだが、あの××屋のラーメンが好きだと言うのが今一つ信用しきれない所なんだよなぁ」
 
 おそらくなっしーは鼻がきかないので、そこのラーメンが食べられるのかもしれない(あ、でも美味しい店を探すのは得意、と言われてます)。

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