「今日も何もなかった」
「今日も何もなかった」

 とフランス国王だか誰かの日記に書いてあって、その日に革命が勃発しただか、ギロチンになっただか、

 と聞いたことがある。

 曖昧な話だが、こうして過去の記憶が夕暮れの空の色のように、光を失っていく。

 ただ、いずれにせよ大変に有名な話なんだそうだ。


 革命が起こったのとギロチンになったかでは、ずいぶん違う。

 前者だとすると、国民の疲弊を知らず、毎日毎日パーティーに明け暮れ、やることなくて倦んでしまっている脳天気な愚王だ。

 幽閉されていてとなると、淡々と、運命に翻弄された、そうした過去をふと振り返りながらも、絶望的な状況にもはや気力が失われている様子が想像される。

 なっしーの日記も、じつは

「今日も何もなかった」

 の連続だが、とりあえず、講義ノートの整理をした、と書けるようにしよう、今日の夜は。

 何日かけても終わりのないパーティーのように、果てしない倦んでしまう作業なんだが。


 

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