クライマーズ・ハイ
 映画でも小説でもない。ただ言葉を借りただけだが、取り敢えず小説は大変面白かった。

 全く独りで生活していると、拘禁症状というか(心理学を知らないのでどう表現するのかわからないが)、気分、気力、体力、精神状態 さまざまな側面で振幅が大きくなる。

 それもかなり大きな振幅のような気がする。

 今日も一歩も外に出ていない(部屋からも。ちなみに万歩計は10歩。それでもしっかり歩行を10歩したんだ)。

 メール以外他人との対話は無い。テレビも電話も無いので、まさしくフランスのプレスリーだ。

 今、隔離実験中のなっしーを実験道具に使ってみたい心理学者はいないだろうか?

 行動ごとの、とりわけ、他人との会話がなされた時の変化、メール(ブログ)を書いているとき、本を読んでいる時、食事を作っている時、食べる時、図らずもかなり隔離された実験室・実験動物がここにあり、ここにいるんだが。

 それはさておき、

 ある先輩の先生で、自らこの隔離状態を作り出し、立派な業績をあげた人がいる(大きな業績をあげる人は多かれ少なかれ同じようなんだろうが)。

 朝5時に起きて、コーヒーを飲んで新聞を抱えて大学に行く。食事は途中で買ったパンを、研究室で食べる。

 開門と同時に研究室に入り、12時に食事。夕方7時まで本を読んで帰宅する。

 通勤中は新聞(と途中で買ったパン)しか持たない。

 これに尽きる。

 現代版カントですね。

 さて、この先生は、すれ違っても、挨拶は交わすが視線は交わさない。

 目線はいつもどこか遠くを見ている。電車から窓の外を見ているような視線だ。

 本を読むときは色鉛筆を持って、何度も何度も、ぶつぶつ声に出しながら読み、線を引きながら読む。
 
 そしてノートに几帳面に書き込む。

 大きさの異なるスケジュール帳を3冊持っていて、スケジュールを決める時も、ぶつぶつ声に出して確認しながらそのすべてに書き込んで、もう一度皆に確認する。

 それも何度も何度も繰り返しながら。

 研究室で、隣の人が長電話をしていると、最初は咳払いだが、それでも続けていると壁をどんどんと蹴飛ばすそうだ。

  これってリーダーズ・ハイの状態を一生続けているって事ですよね?

 なっしーは一流の研究者になるには、余りにも普通過ぎる。

 でも、それで良いな。2・5流で(←3・5流だという声が聞こえる)。

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